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あるいはムーミンでいっぱいの谷

ムーミン谷は、ムーミンたちが美しい自然とともに暮らす、のどかで平和な場所。その谷で一番大きい建物が、ムーミン屋敷であり、一家は、外からやってくるどんなに変わったお客さまでも歓迎します。

コマーシャル

1000字以上

テレビをリアルタイムで見るときというのはだいたい野球中継に限られるのだが、WBCのおかげでここ数日間はこれでもかとコマーシャルを見続けた。毎度毎度同じものが流れるのだから内容を覚え始めるのは当然として、どうもエンターテイメントに寄りすぎてる印象だけが今残っている。構成は覚えているのに会社名や商品名はインプットされていない。最後に名前だけ出されてもね。

 

マツケンサンバのイントロは好きだがどこのメーカーのビールだったかは知らないし、海外留学の見送りすらしない親への疑問は浮かぶが何の宣伝なのかは一切伝わってこない。指定位置へ若干遅れながらも踊りながらカメラ目線をキメ続ける櫻井翔は少し滑稽だが、あれはガンホーが野球そのもののスポンサーであるしパズドラだと理解された上で映像を繰り出し続けている。というかボール持ってるし。野球を知らなくとも侍ジャパンの選手が投げたり打ったりしている。

 

例は留めておくとして、さらに気になったのはハイブリッド車のコマーシャルだ。「ガソリンでも走れる」とか言っていた。えっ、2017年現在ガソリンで走れない車があるのか?軽自動車だから軽油のみで走るとかいうあれか?馬車か?土地柄不向きであるのに観光用に設置されている人力車か?まあ電気での走行をアピールしたいのだろうが、ほ、となった。印象勝負なので虚をつくというのは重要になってくる。あくまでも相対的に。

 

どの家庭でも大抵の生活用品が一定の水準で揃うようになり、テレビで大々的に宣伝できるような商品には、ブランドの乗り換えまでもを促す他社製品との差異もなかなかつきにくい。価格も拮抗するし、やけに安いと安心が損なわれるおそれがある。だから消費が停滞するのだとかそういう話ではなく、宣伝はもうメーカーの名を知らせるだけだ。あるいは思い出させること。慈善事業なんかがその根本にあったりするのだろうが、消費者側からすれば別にどうでもいい。ただ、表面上は気にする人が多い。しかしワタミを意図的に避ける人は多いかもしれないが、名前を変えれば気づく人は少ないわけだ。いちいち調べることに労力など割いてる暇はない。消費者が知りたい情報は、スペック。

 

ようやく本題。ジャパネット。知識がなくともなんだか凄そうな商品に見えるし、なんだか安そうに見えるし、なんだかすぐに売り切れてしまいそうだ。電話というワンクッションさえなければ買ってしまいそうだ。いらないけど。しかし誰もがその名を知り経営が続いているということは、確実に売れている。

 

ジャパネットは顔が見えることによるメリットを相当に受けていると思われる。フェイスtoフェイスでの語りはどうしても人に響きやすいし、信頼を得やすい。それに、責任のなすりつけ先が目の前に見えているというのも大きい。よく分からない健康食品が胡散臭く見えてしまうのは商品そのものへの疑いもあるが、芝居掛かった使用者を誰が信頼するのかという話である。ジャパネットはコマーシャルが生命線であるから直接利益につながる手法がとられるし、消費者にもそれが見えることによって実績に信頼が伴う。その繰り返し。

 

どこかの団体が唱えるような放映上の倫理が拡大してしまえば印象勝負はより一層拡大するだろうが、ある種野蛮な構成の方が利益の根本的な拡大を図る企業にとっては都合が良い。綺麗な映像や奇抜なショーを作っている場合ではないのだ。すでに名声を得ている企業は忘れてもらわないために現状を継続させるだろうしそれで十分だが、これからコマーシャルを放映するであろう例えばインターネッツを介した事業、倣っているようではダメなんだなあ。